身体の水分が少なくなるとどうなる?高齢者・成人・小児それぞれの必要水分量とは?
日頃皆さんはどのくらい『水分補給』を意識して生活していますか?
気温が上がるとその分意識する方は増えますが、暑い日以外にも水分補給は欠かせないものです。
今回は水分補給がなぜ必要なのか?どのくらいを目安に飲めばいいのか?をご紹介します。
身体の6割は水分
私たちのからだの大部分は水と塩(電解質)でできていますが、その水分量は年齢と共に変化してしまうことをご存じですか?
年代別の量は、およそ次のようになっています。
体液量は体重の
- 小児:70%
- 成人:60%
- 高齢者:50%
※高齢者=65歳以上
程度です。
この様にからだの水分は、年齢を重ねるごとに減っていきます。
筋肉と水分の関係性
この水分は身体のどこに貯蔵されているのでしょうか?
それは、筋肉です。
筋肉の多い人は身体の中に貯められる体液が多くなります。
反対に筋肉が少なく、脂肪の多いからだでは体液が少なくなります。これは水と油は混ざり合わないため、脂肪(油)には体液は含まれないのです。
※女性は男性より筋肉量が少ないため男性より貯蔵量は少ないです。
そのため年齢を重ね高齢になると、貯蔵する筋力も衰えてしまうため貯められなくなり、水分量が減ってしまうというわけですね。
身体の水分が少なくなると…
体液は身体で大切な働きをしています。体液の成分は水と塩(電解質)が混ざり合ったものです。
体液には電解質の中でもナトリウムイオン(塩分)が一番多く、そのほかにカルシウムイオンやカリウムイオンなど、身体に大切な成分が含まれています。
身体の水分の働きについて
- 体温の調節
- 老廃物などを運び出す
- 栄養と酸素を運ぶ
身体の中の水分が減少した状態が脱水症といい、血管を流れる血液の量が減少します。
血液の量が減少すると、血液が運ぶ栄養素や酵素が細胞(組織)内に運ばれにくくなってしまい、さらに細胞内で作り出された老廃物も運ばれにくくなります。
起こる症状
身体の水分が不足すると、次のような症状がみられます。
- 脳の血流が不足する
- めまい
- 立ちくらみ
- 汗が出ない
- 微熱
- 心拍数が増加する
- 血圧の上昇
など…
電解質を失うと起こる症状
身体の電解質が不足すると、このような症状がみられます。
- こむら返り
- 足などがつる
- 体が痛い
など…
他にも気を付けてほしいポイント
身体の水分が少ない状態は、体の粘膜が渇くことで免疫力が低下しウイルスや細菌が体内に侵入しやすくなってしまいます。
そのため、感染症などを起こしやすくもなってしまうのです。
他にも身体の水分が少ない場合、認知症の発症リスクも高まります。
脱水症状になりやすい人
高齢者、小児は特に脱水症状になりやすいとされています。それぞれ理由を見てみましょう。
高齢
- のどの渇きを感じにくい
- 多くの水分が尿として出てしまう
- 暑いのに汗をかきにくい
- 筋肉量の減少
- 利尿剤など薬による影響
- 排尿を恐れ、飲料を減らしてしまう
- 認知機能の低下により気温や湿度など環境を認識できない
など…
高齢者は水分不足(脱水症)になったときのダメージが大きく、さまざまな臓器の機能が加齢に伴って低下しているため、腎臓機能や体温調整機能、認知機能なども影響を受けやすくなります。
身体の水分が減ることで血液の流れが悪くなります。脳の血流が減ることで集中力の低下や立ちくらみを起こしやすくなります。
小児
- 成長期のため水分の出入りが激しい
- 肌から水分が失われやすい
- 汗腺の発達が未熟
- 遊びに夢中などで、のどの渇きに気づかない
小児は十分に生理機能が発達していないため、脱水症になりやすいです。
水分補給のペースも大人に左右されやすいので、こまめな水分補給を意識することが大切です。
水分補給の量
ご自身に必要な水分量は計算から導き出すことができます。
『 現体重×25~30mℓ=必要水分量 』
成人では1日1.5~2.0ℓ程度必要とされていますが水分は料理からも摂ることができるため、水分として1.5ℓは切らないようにしたいですね。
水分補給の種類
ではどんな飲み物で水分補給してもいいのでしょうか?
日常的、予防的な目的でしたら、アルコール以外のものは何でも水分補給になります。
アルコールは身体の水分を奪う飲み物で、1ℓのビールを飲むことで体から1.1ℓもの水分が奪われてしまいます。
アミノ酸入り飲料について
アミノ酸が入ることで飲料の浸透圧が上昇します。浸透圧が高い飲料は、体内への水分の吸収が速くなるので、スポーツの前後にアミノ酸入り飲料を摂取することで、筋肉の疲労を抑え回復を促進させます。
ただし、体温上昇中にアミノ酸飲料を摂るとよけいに熱が上がりやすくなるので、熱が上昇しているときは経口補給水を飲むようにしましょう。
まとめ
夏の暑い日にだけ水分補給を意識するのではなく、細目な水分補給は風邪予防にもつながります。日々の生活から水分補給を気を付けていきましょう!
そして水分貯蔵のためには筋肉をつけ、維持することが必要です。
- 水分補給
- 運動習慣
今後の健康のためにも欠かさず意識していきましょう。
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