隠れ偏平足とは?「土踏まずがある=安心」ではない、足元の落とし穴|スマートウェイ
「偏平足」と聞くと、
多くの人がこんなイメージを持つのではないでしょうか。
土踏まずがまったくない
足裏がベタッと地面についている
見た目で分かる
確かに、分かりやすい偏平足も存在します。
しかし実は、近年とても増えているのが
「一見すると土踏まずがあるのに、立つとつぶれてしまう足」
いわゆる
隠れ偏平足(機能的偏平足) です。
自分では気づかないまま、
足・膝・腰・姿勢に影響を与えているケースも少なくありません。
今回は、
隠れ偏平足とは何か
なぜ気づきにくいのか
体にどんな影響があるのか
原因と予防・対策
を、分かりやすく解説していきます。ぜひ最後までお読みください!
偏平足には「種類」がある

まず知っておきたいのが、
偏平足はひとつの状態ではない、ということです。
● 構造的偏平足
立っていても
座っていても
土踏まずがほとんど見えない
骨格的な特徴が強く、
見た目でも分かりやすいタイプです。
● 機能的偏平足(=隠れ偏平足)
座っているときや
足を浮かせているときは
→ 土踏まずがある立つ・体重をかけると
→ 土踏まずがつぶれる
筋肉や使い方の問題によって起こる偏平足で、
実はこちらの方が圧倒的に多いと言われています。
なぜ「隠れ偏平足」は気づきにくいのか?

理由はとてもシンプルです。
普段、足裏をじっくり見る機会が少ない
靴を履いている時間が長い
痛みがないと気にしない
多くの人は、
「足は歩けているから問題ない」
と思っています。
しかし、隠れ偏平足は
見た目では分からない
でも体重がかかった瞬間に崩れる
という特徴があるため、
知らないうちに体を支える土台が不安定
になっているのです。
土踏まずの本当の役割

土踏まずは、
「ある・ない」だけで判断されがちですが、
本当の役割はそれ以上に重要です。
● 衝撃を吸収するクッション
歩く・走るたびにかかる衝撃を
やわらかく受け止めます。
● バネとしての推進力
地面を蹴るときに
エネルギーを効率よく伝えます。
● 姿勢の土台
足元が安定することで
膝・股関節・骨盤・背骨まで
影響を与えます。
このアーチ構造が
体重をかけた瞬間につぶれてしまう
それが、隠れ偏平足の問題点です。
隠れ偏平足のデメリット①
足が疲れやすい・だるい
隠れ偏平足の方は、
長時間立つと足裏が疲れる
夕方になると足がだるい
土踏まず周辺が張る
といった症状を感じやすい傾向があります。
これは、
本来アーチが担うはずの
衝撃吸収や分散がうまくできていない
ためです。
隠れ偏平足のデメリット②
膝・腰への負担が増える
足元が不安定になると、
体はその不安定さを
上の関節で補おうとします。
その結果、
膝が内側に入りやすい
股関節がうまく使えない
腰が無理に頑張る
という連鎖が起こります。
「足に問題があると思っていなかったのに、
なぜか膝や腰がつらい」
こうしたケースでは、
原因が足元にあることも少なくありません。
隠れ偏平足のデメリット③
姿勢が崩れやすくなる
足は体の一番下にある土台です。
その土台が不安定だと、
片脚重心になりやすい
反り腰・猫背になりやすい
立っているだけで疲れる
といった影響が出やすくなります。
「姿勢を気をつけているのに、
なぜかすぐ崩れる」
そんな方は、
足元まで意識が向いていない可能性があります。
隠れ偏平足が起こる主な原因

① 足の筋肉が使われていない
土踏まずを支えているのは、
骨だけではありません。
足裏の細かい筋肉
すねの筋肉
ふくらはぎ
これらが協力して
アーチを保っています。
しかし、
靴に頼りすぎる
裸足で動く機会が少ない
足指を使わない歩き方
が続くと、
筋肉はどんどん働かなくなります。
② 座りっぱなし・運動不足
長時間座る生活では、
足裏に体重がかからない
足指を使う機会がない
血流が滞りやすい
結果として、
足の機能そのものが低下しやすくなります。
先ほどの「座りっぱなしのリスク」とも
深くつながる部分です。
③ サイズや形の合わない靴
大きすぎる靴
クッションが柔らかすぎる靴
かかとが不安定な靴
これらは、
足が「自分で支える力」を
使わなくても済む環境を作ってしまいます。
一時的には楽でも、
長期的には
隠れ偏平足を助長する原因になります。
簡単セルフチェック:あなたは大丈夫?
以下を試してみてください。
椅子に座って足裏を見る
次に立ち上がって足裏を見る
このとき、
座っているときは土踏まずがある
立つと、内側がベタッと床につく
という場合、
隠れ偏平足の可能性があります。
※診断ではありませんが、
ひとつの目安になります。
隠れ偏平足は「治す」より「予防・改善」

隠れ偏平足は、
骨の問題ではないケースが多いため、
日々の使い方次第で変えられる余地が大きい
という特徴があります。
● 足指を使う意識
タオルをつかむ
指で床を押す
● 裸足で動く時間を作る
家の中で裸足
靴下だけで過ごす
● 正しく立つ・歩く
かかとから接地
足指まで体重を移動
どれも特別な運動ではありません。
ジムやスタジオでの運動は最高の対策
正しいフォームでの運動は、
足裏への適度な刺激
アーチを支える筋肉の活性
全身の連動性アップ
につながります。
特に、
スクワット
片脚立ち
バランス系トレーニング
は、
隠れ偏平足の方にとって
とても価値の高い動きです。
偏平足は「足だけの問題」では終わらない
隠れ偏平足について語るうえで、
とても大切な視点があります。
それは、
足元の崩れは、必ず全身に波及する
ということです。
人の体は、
足 → 膝 → 股関節 → 骨盤 → 背骨 → 首
というように、
積み木のように積み上がってバランスを取っています。
その一番下の土台である足が不安定になると、
上に積まれた部分は
常に微調整を強いられる状態になります。
この「小さなズレの積み重ね」が、
慢性的な腰痛
片側だけの膝の違和感
なかなか取れない疲労感
につながっていくのです。
隠れ偏平足と「歩き方」の深い関係
隠れ偏平足の方に共通して見られやすいのが、
足指をあまり使わない歩き方です。
たとえば、
ペタペタと足裏全体で着地する
かかとから着いても、つま先で蹴れていない
靴底の外側ばかり減る
こうした歩き方では、
土踏まずが使われない
足指の筋肉が眠ったまま
アーチが支えられない
という悪循環が起こります。
「歩いている=足を使っている」
と思いがちですが、
使われている部分と、使われていない部分がある
というのが現実です。
実は多い「女性の隠れ偏平足」
隠れ偏平足は、
特に女性に多い傾向があります。
その理由として考えられるのが、
筋力の差
靴の影響
ライフスタイル
です。
● 筋力の差
土踏まずを支える筋肉は、
意識しないと衰えやすい筋肉でもあります。
筋力が落ちると、
体重をかけた瞬間に
アーチが保てなくなります。
● 靴の影響
パンプス
ヒール
つま先の細い靴
これらは足指が使いにくく、
長時間履くことで
アーチ機能が低下しやすくなります。
● 妊娠・出産
体重の変化や骨盤の影響により、
足裏の負担が増え、
偏平足傾向が強まる方も少なくありません。
隠れ偏平足とダイエットの意外な関係

「足」と「ダイエット」。
一見、関係なさそうに感じるかもしれません。
しかし、隠れ偏平足があると、
歩くのが疲れる
運動がつらい
無意識に動く量が減る
という状態になりやすくなります。
また、
膝や腰が気になって運動を避ける
正しいフォームが作れない
といった理由で、
運動の質そのものが下がることも。
結果として、
消費カロリーが伸びない
体型が変わりにくい
という悪循環に入るケースもあります。
足元が安定すると、
動くことへの心理的ハードルが下がり、
「自然と動ける体」に近づいていきます。
トレーナーが見た「隠れ偏平足あるある」
現場でよく見かける、
隠れ偏平足の方の特徴をいくつか紹介します。
● 片脚立ちが不安定
すぐグラつく
足指が床から浮く
立っているだけで疲れる
● スクワットで膝が内に入る
足裏が安定しないため、
膝の位置もコントロールしにくくなります。
● ジャンプやステップが怖い
足裏で地面を感じにくく、
無意識にブレーキがかかります。
これらは
「運動が苦手」なのではなく、
足元のセンサーがうまく働いていないだけ
という場合も多いのです。
インソールは必要?使い方の考え方
「偏平足=インソールを入れたほうがいい?」
という質問もよくあります。
答えは、
ケースバイケースです。
インソールは、
足裏の負担を軽減
痛みの予防
一時的なサポート
としては、とても有効です。
ただし、
入れっぱなし
頼りきり
になってしまうと、
足本来の機能が
さらに使われなくなる可能性もあります。
大切なのは、
日常ではサポート
運動では「自分の足で支える練習」
というように、
役割を分けて考えることです。
今日からできる「足元リセット習慣」

隠れ偏平足対策は、
特別なトレーニングでなくてもOKです。
● 朝、足指を動かす
グーパー運動
指を一本ずつ動かす
● 立つときに足裏を感じる
かかと
親指の付け根
小指の付け根
この3点に体重が乗っているか意識。
● 帰宅後は足を解放
靴を脱ぐ
靴下も脱ぐ
床を感じる
ほんの数分で
隠れ偏平足は「今後」を左右するサイン
隠れ偏平足は、
今すぐ強い痛みが出るものではありません。
だからこそ、
放置されやすい
後回しにされやすい
という特徴があります。
でも、体はとても正直です。
使われない機能は眠る
使われた機能は育つ
足元に少し意識を向けるだけで、
未来の体は確実に変わっていきます。
も、
足にとっては十分な刺激になります。
まとめ:足裏は、毎日体を支えている
私たちは毎日、
立って
歩いて
体重を預けて
足裏に
とても大きな役割を任せています。
隠れ偏平足は、
その足裏が
少しだけ無理をしているサインかもしれません。
今日から、
足指を動かす
立ち方を感じる
運動で正しく使う
その積み重ねが、
足元から体全体を変えていきます。
「足なんて気にしたことなかった」
そんな方にこそ、
知ってほしいテーマです。
スマートウェイ運営事務局で広報を担当している佐藤です。
いま知りたい情報などをタイムリーにお届けいたします!