関節がかたいと、体の何が困るのか|スマートウェイ
――人によって“かたさ”が違う理由と、動きやすい体との付き合い方
「体、かたいですね」
整体やジム、健康診断、あるいはストレッチをしたときに、そんな一言をもらったことがある人は少なくないはずです。
前屈で床に手が届かない。
肩を回すと途中で引っかかる感じがする。
しゃがもうとすると、バランスが取りにくい。
こうした感覚は、単に「柔らかくない」という一言では片づけられません。
関節の動きに制限がある状態は、日常の動作の中で、少しずつ、でも確実に影響を広げていきます。
しかもこの“かたさ”は、
サボっているからでも、努力が足りないからでもなく、
これまでの生活や体の使い方、そして体のつくりそのものが反映された結果でもあります。
詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください!
そもそも「関節がかたい」とはどういう状態?
「関節がかたい」と聞くと、関節そのものが固まっているようなイメージを持つかもしれません。
でも実際には、
関節まわりの筋肉
腱
靭帯
関節包
といった組織が伸びにくくなり、
本来あるはずの“動ける範囲”が狭くなっている状態を指すことがほとんどです。
関節は、本来ある程度の可動域をもって設計されています。
ところが、
同じ姿勢が長く続く
同じ動きばかり繰り返す
動かさない時間が長い
こうした生活が続くと、
体は「この範囲しか使わないんだな」と判断して、
その範囲に合わせて“動ける幅”を縮めていきます。
関節がかたいことで起きやすいデメリット

① 動きがぎこちなくなり、疲れやすくなる
関節の動きがスムーズでないと、
本来はいろいろな場所に分散されるはずの負担が、特定の部位に集中しやすくなります。
たとえば、
股関節がかたい → 腰や膝が代わりに頑張る
肩関節がかたい → 首や背中に負担が集まる
というように、
「動きにくいところ」を「別の場所」がカバーする形になります。
結果として、
同じ動作をしているのに疲れやすい
いつも同じ場所だけがつらくなる
夕方になると体が重だるい
といった状態が起きやすくなります。
② ケガのリスクが上がりやすくなる
関節の可動域が狭い状態で無理に動こうとすると、
動きの“逃げ場”がなくなります。
すると、
筋肉を痛めやすい
関節をひねりやすい
転びそうになったときに踏ん張りがきかない
といったリスクが高まります。
柔軟性は、
「大きく動くため」のものでもありますが、
同時に急な動きに対応するための“余裕”でもあります。
この余裕が少ないほど、体はトラブルを起こしやすくなります。
③ 姿勢が崩れやすくなる
関節がかたいと、
本来あるべき姿勢そのものを取りにくくなります。
胸が開かない
肩が前に出やすい
骨盤が傾いたまま戻りにくい
こうした状態では、
「姿勢を正そう」と意識しても長続きしません。
結果として、
猫背が定着しやすい
反り腰になりやすい
片側重心のクセが抜けにくい
といった“姿勢のクセ”が、そのまま体に固定されていきます。
④ 体を動かすこと自体が億劫になりやすい
関節がかたいと、動き始めが重く感じやすくなります。
立ち上がるときに「よっこいしょ」
歩き出しがもたつく
体を伸ばそうとすると引っかかる感じがする
こうした小さな“動きづらさ”が積み重なると、
無意識のうちに「動くの面倒だな」という感覚が強くなっていきます。
その結果、
動かない → さらにかたくなる → もっと動きづらくなる
というループに入りやすくなります。
なぜ、人によって関節のかたさが違うのか?
① 生活習慣・姿勢の積み重ね
デスクワーク
スマホ操作
運転
片側重心の立ち方
こうした日常の姿勢や動作は、
長い時間をかけて体の使われ方に影響します。
同じ関節でも、
よく動かしている人
ほとんど動かしていない人
では、可動域に差が出てきます。
これは才能や根性の問題ではなく、
「どう使ってきたか」の履歴の違いです。
② 過去のケガや痛みの影響
過去に痛めた場所は、
無意識にかばう動きが身につきやすくなります。
かばう → 動かさない → 動かしにくくなる
という流れが続くと、
結果としてその関節はどんどん動きの幅を失っていきます。
「もう治っているはずなのに、なぜか動かしにくい」
そんな場合、この“かばいグセ”が残っていることも少なくありません。
③ 体のつくりの個人差
骨の形
関節の構造
靭帯の柔らかさ
これらには、生まれつきの個人差があります。
もともと可動域が広い人もいれば、
構造的にそこまで大きく動かない人もいます。
つまり、
「柔らかさ」は努力だけで決まるものではなく、
体の設計図の違いも関係している、ということです。
④ 年齢とともに起きる変化
年齢を重ねると、
筋肉や腱の水分量が減りやすくなる
組織の弾力が少しずつ低下する
といった変化が起きます。
これは自然な変化ですが、
日常的に関節を動かしている人ほど、
この変化のスピードは緩やかになります。
「体がかたい=サボっている」ではない

ここで、とても大事な視点があります。
体がかたい人は、
「運動してないからだ」
「努力が足りないからだ」
と思われがちです。
でも実際には、
仕事の姿勢
生活スタイル
過去のケガ
体の構造
こうした要素が複雑に絡み合って、今の状態ができています。
つまり、
かたさは“怠けの証拠”ではなく、
これまでの体の使われ方の結果にすぎません。
自分を責める材料にする必要は、まったくないのです。
左右でかたさが違うのはなぜ?
「右は動くのに、左は全然動かない」
「片側だけ突っ張る感じがする」
こんな左右差を感じる人も多いはずです。
これもよくある話で、
利き手・利き足の影響
いつも同じ側で荷物を持つ
片側重心の立ち方・座り方のクセ
など、日常のクセがそのまま体に反映されます。
左右差があると、
体は“動くほう”に頼るようになり、
動きにくい側はますます使われなくなります。
その結果、
左右差はさらに広がりやすくなります。
朝と夜で、体のかたさが違う理由
「朝は体がガチガチなのに、夜は少し動きやすい」
これも多くの人が感じる変化です。
これは、
寝ている間に体を動かしていない
体温が低め
筋肉や関節まわりの組織が冷えている
といった状態からスタートするためです。
一方、日中は、
体を動かす
体温が上がる
血流が良くなる
ことで、
同じ体でも“動きやすい状態”に近づいていきます。
つまり、
「夜のほうが柔らかい気がする」のは、
体が温まり、動かされた“結果”とも言えます。
冷えや緊張と、関節のかたさの関係

体が冷えると、筋肉や関節まわりの組織は伸びにくくなります。
寒いと体がこわばるのは、そのためです。
また、緊張やストレスが強い状態では、
無意識に体に力が入り続ける
肩や首、背中に力が抜けにくくなる
といったことも起きやすくなります。
その結果、
「動かしても、なんだか引っかかる」
「力が抜けなくて、余計にかたい」
という感覚につながることもあります。
ストレッチを頑張りすぎて、逆に痛めることもある
「かたいから、頑張って伸ばさなきゃ」
そう思って、無理にグイグイ伸ばしてしまう人も少なくありません。
でも、
痛みを我慢しながら伸ばす
反動をつけて無理に動かす
呼吸を止めて耐える
こうしたやり方は、
かえって筋肉や関節を守ろうと体が緊張してしまい、
逆効果になることもあります。
大切なのは、
“伸ばすこと”よりも、“無理なく動かすこと”。
「柔軟性」と「動かしやすさ」は別物
ここで、もうひとつ大事なポイント。
関節は、
柔らかければ柔らかいほど良い、
というわけではありません。
柔らかすぎると、
関節が不安定になりやすい
力を入れたときに支えが効きにくい
ぐらつきやすい
といった別の問題が出てくることもあります。
大切なのは、
必要な範囲で、安定して動かせること。
「どこまで動くか」だけでなく、
「その範囲をコントロールできるか」も、同じくらい重要です。
かたい関節との、現実的な付き合い方
いきなり柔らかくしようとしなくてOKです。
毎日ほんの少し動かす
伸ばすより「動かす」を意識する
痛みが出るほど無理をしない
この3つを意識するだけでも、
体の反応は少しずつ変わってきます。
お風呂上がりに肩を回す
寝る前に足首をくるくる回す
朝起きたら背伸びをする
こうした小さな動きの積み重ねが、
関節の“動ける範囲”を思い出させてくれます。
まとめ:かたさは「欠点」ではなく、体からのサイン
関節がかたいことは、
悪いことでも、恥ずかしいことでもありません。
それは、
これまでの生活や体の使い方が、
今の体に反映されているだけ。
大切なのは、
「もっと柔らかくならなきゃ」ではなく、
「今の自分の体が、どうすれば動きやすくなるか」を知ること。
体は、
使い方次第で少しずつ変わっていきます。
今日の体は、これまでの積み重ね。
そして明日の体は、今日の選択の延長線にあります。
スマートウェイ運営事務局で広報を担当している佐藤です。
いま知りたい情報などをタイムリーにお届けいたします!