【基礎編】これからの時期に気を付けたい「熱中症」予防することで暑い夏を健康に乗り越えよう!
8月に入り、気温の高い日も増えてきましたね!
近年は地球温暖化の影響もあってか、北海道の夏も暑い日が多くなりました。
ここで、気を付けたいのが【熱中症】です。
どんな人でもなる可能性がある【熱中症】ですが、甘く見ていてはいけません。最悪の場合、命を奪ってしまう可能性もある恐ろしい疾患です。
今回は暑くなってきたからこそ気を付けたい【熱中症】についてまとめているコラムをお届けします。
気になる方は是非、最後までご覧ください。
▼この記事を読んで欲しい方
- 夏バテしやすい方
- 熱中症がどのようなものか分からない方
- 熱中症を予防したい方
- 暑い夏を健康に過ごしたい方
- 暑い夏が苦手な方
▼この記事を読んで分かること
- 熱中症とはどのようなものを指すのか
- 熱中症の病態についての説明
- 現場でできる熱中症の対応方法
- 運動実施基準について
- 熱中症の予防方法
※以前、適切な水分摂取の方法や内容についてまとめたコラムを配信しております。是非併せてご覧ください。
熱中症とは?
まずは熱中症とはどのようなものを指すのか?についてお伝えしていきます。
熱中症とは…
「暑熱環境下で生じる障害の総称」のこと指します。
あまり知られていませんが、熱中症は病態によって大きく3つの分類に分けられます。
- 熱疲労
- 熱けいれん
- 熱射病
中でも③熱射病は重症化した熱中症の病態を指しており、死亡事故に至ることも少なくありません。
では、各病態ごとに細かく見ていきましょう。
熱疲労
熱中症の中で最も軽傷な病態
- 大量の発汗があり、その後、水のみを補給した場合に起こりやすい
- Na(ナトリウム)欠乏性脱水
- 筋肉の興奮性が亢進し、四肢や腹部のけいれんと筋肉痛が症状として現れることがある
- 生理食塩水(0.9%食塩水)を摂取することで回復が見込める
熱けいれん
脱水が原因で起こる病態
- 症状として全身倦怠感、脱力感、めまい、吐き気、頭痛が起こる
- 体温の上昇はさほどなく、発汗が多い
- 身体症状として発汗、血圧低下、頻脈、皮膚蒼白が起こる
- 涼しい場所に運び、衣服を緩めて寝かせ休息をとることが必要
- 水分(0.1~0.2%ほどの低張食塩水)を補給することで通常は症状が改善する
- 吐き気が強く、水分を十分に摂取できない場合には点滴による補液が必要
熱射病
熱中症の中で最も重症な病態
- 体温調節が破綻することで発症し、高体温とその他、様々な症状(意識障害:見当識障害から昏睡までさまざま)が起こる
- 脱水が背景にあることが多く、脳、肝臓、腎臓、心臓、肺など全身の多臓器障害や、*播種性血管内凝固症候群(DIC)による出血を合併し、死亡率も高い
*播種性血管内凝固症候群(DIC)
播種性血管内凝固症候群(DIC)とは、血液が異常に固まりやすい状態となり、多くの血栓(小さな血の塊)が形成される病気のことを指す。
発症後は、全身の細い血管が血栓によって詰まり、血液を固めるのに必要な血小板や凝固因子が使い果たされ不足することで、出血を抑える作用も低下し各部位で出血が起こりやすくなり、命に関わるケースも多い。
熱射病は死の危険が迫った緊急疾患とも表現されます。
冷却の処置をしながら、一刻も早く施設環境が整った病院などに搬送し、集中治療を実施することが必要
熱射病の予後は、高体温、意識障害の持続時間によって左右されるため、発症後にできるだけ高体温の状態や、意識障害の状態を短くすることが重要
治療はまず、体温を速やかに低下させることであるため現場での冷却処置がポイントとなる。発症から「40分以内」に体温を下げることができれば、合併症もなく確実に救命することができる。
現場でできる冷却処置として、水をかけて扇いで体温を下げるほか、頸部、腋窩、鼠径部など、太い血管のある部位を氷などで冷やすことが推奨されている。
現場でできる救急処置のポイントは?
もし、熱中症になってしまった場合にはどのようなことを意識して対処すべきなのか?
自身が熱中症になってしまった場合には、上記でお伝えした「熱けいれん」までの状態であれば、意識もあり、自身で対処することができるので、大きな問題にはならないかと思います。
問題は「熱疲労」「熱射病」まで進行してしまったときです。
症状として、もしかすると意識障害が出てしまっていたりすると、自身で改善しようと思ってもなかなか難しいものです。
そうなったときに、「熱疲労」「熱射病」になってしまった人を助けられるのは誰でしょうか?
そうです。現場で近くにいる人の助けが必要になりますね!!
もしかすると…
- 家の中で身近な家族が熱疲労の状態になっているかもしれません
- 電車を待つホームで目の前の人が熱射病の状態になっているかもしれません
- 道を歩いていたら熱射病の方がいて、周りにはあなたしかいないかもしれません
上記のような環境に遭遇した時に、対処方法を理解していれば大切な方を助けることができるかもしれません!!
では、上記のような事態になったときに現場で何を意識すれば良いのかをお伝えしていきます。
現場で救急処置を実施する場合には「熱疲労か熱射病かの鑑別」がポイントとなります。
熱射病の特徴として
- 高体温
- 意識障害
の2つが挙げられます。
意識障害は初期状態の場合には、軽いこともあるため、注意が必要です。
- 問いかけに対しての応答が鈍い
- 言動がおかしい
などの少しでも異常を疑うような症状が出ている場合には、「熱射病」を疑って対応をすることが重要です。
意識障害がある場合には、ためらわずに救急搬送の手配をし、まずは体温を下げる行動をとることが重要です。
その後、現場でできる対応として、衣服を緩めて水で体温を下げるなどの行動をとりましょう。
医療機関での治療も体温を下げることが重要ですが、脱水、循環不全、低血糖が同時に発生することも多く、同時に確認することが重要です。
また、*播種性血管内凝固症候群(DIC)の発症も考えられるので、凝固系の確認も怠らずに対応しましょう。
後半では、実際の熱中症の対策についてお伝えしていきます。
是非、併せてご覧ください。
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所属の健康運動指導士トレーナー竹村です。
内科系疾患・整形外科疾患・予備軍の方に向けた健康増進施設、指定運動療法施設にてトレーナー従事中
運動を行う上での効果やポイント、身体についての知識など、運動に関わる様々な情報を発信していきます。