お尻の奥を鍛えて股関節の痛みを改善しよう!お尻のインナーユニットを鍛えるトレーニング3選!
皆様はお尻の筋肉に「インナーユニット」が存在することを知っていますか?
お腹にインナーユニットがあるということを知っている方は多いと思います。
実は、お尻にもお腹と同じように「インナーユニット」が存在しています。
今回はそんなお尻のインナーユニットにはどのようなものがあるのか?どのような作用があるのか?そのように鍛えれば良いのか?などをまとめてお伝えしていきます。
股関節に痛みがある方や、骨盤が気になる方など様々な方にとって有益な情報となるはずです!!是非、最後までご覧ください。
▼この記事を読んで欲しい方
- 股関節に痛みや違和感がある方
- お尻の筋肉が良くわからない方
- お尻のインナーユニットが何かわからない方
- お尻を鍛えたい方
- 自宅でお尻のトレーニングをしたい方
- 自宅でのエクササイズ方法が分からない方
- バランス能力を向上させたい方
▼この記事を読んで分かること
- お尻の筋肉のインナーユニットとは何があるのか
- お尻のインナーユニットが効いていないとどのようなことが起こるのか
- 片足立ちとお尻のインナーユニットとの関係
- 股関節の痛みとお尻のインナーユニットとの関係
- お尻のインナーユニットを鍛えるトレーニング
- ヒップアブダクションのやり方
- クラムシェルのやり方
- スパイダーのやり方
お尻の筋肉についてまとめたコラムを配信しております。是非、併せてご覧ください。
お尻の筋肉のインナーユニットとは何があるの?
まずはトレーニング方法を知る前に、お尻の筋肉のインナーユニットはどの筋肉のことを指しているのかを把握していきましょう。
筋肉には
- インナーユニット
- アウターユニット
という2種類があります。
インナーユニットとアウターユニットの違いはその名の通り「深層にあるか」「表層にあるか」という違いがあります。
深層筋であるインナーユニットは身体の上から触れることはできず、身体の軸となり支える機能を持っています。筋肉を直接触れることが出来ない為、筋肉の動きを表面上で確認することは難しいです。
ですが、正しく使うことが出来ていれば体感として筋肉の疲労を感じることもできます。
表層筋であるアウターユニットは身体の上から触れることができ、大きな力を発揮する機能を持っています。筋肉が表面にあるため、動きや活動を目視でも確認することが出来ます。使えているか、使えていないかがはっきりわかるため、意識もしやすいとされています。
インナーユニットとアウターユニットについて少し理解を深めたところで…
お尻には複数の筋肉が存在しています。
- 大殿筋
- 中殿筋
- 小殿筋
- 梨状筋
- 上双子筋
- 下双子筋
- 内閉鎖筋
- 外閉鎖筋
- 大腿方形筋
複数あるお尻の筋肉でアウターユニットとインナーユニットに分類していきます。
①アウターユニット
- 大殿筋
- 中殿筋
②インナーユニット
- 小殿筋
- 梨状筋
- 上双子筋
- 下双子筋
- 内閉鎖筋
- 外閉鎖筋
- 大腿方形筋
上記の2~7番までのインナーユニットは総称で「深層外旋六筋」とも呼ばれています。
今回は②のインナーユニットを鍛えるトレーニングをご紹介していきます。
お尻のインナーユニットが効いていないと何が起こるの?
では、お尻のインナーユニットは何かを把握できたところで、次にお尻のインナーユニットが上手く使えていなかったり、固まってしまっているとどのような影響が身体に出てくるのかをお伝えしていきます。
今回は大きく2つの内容をお伝えしていきます。
- 片脚バランスが上手くできなくなる
- 股関節の痛みに繋がる
では、それぞれなぜお尻のインナーユニットが使えていない場合に上記のような事態を誘発してしまうのかをまとめていきます。
片脚バランスが上手くできなくなる
まずは、上記の写真をご覧ください。
最も左にある状態が片脚立ちをしたときに見られる正常な姿勢です。
一方で、中央部分、右側に記してある姿勢はエラー動作として発生している姿勢です。
それぞれ名称があり
- トレンデレンブルグ徴候
- デュシャンヌ徴候
と呼ばれます。
トレンデレンブルグ徴候
トレンデレンブルグ徴候とは…
片脚立脚時に骨盤を正中位に保つことが出来ず、反対側の骨盤が下制してしまう現象
のことを指します。
トレンデレンブルグ徴候が起こる原因は…
中殿筋と小殿筋の筋力低下によって起こりやすいとされています。
中殿筋は骨盤が対側に下制しないように制動できる筋肉とされており、中殿筋が活動することで片脚立ちした時にも骨盤が傾くことなく、真っ直ぐの状態を保つことができるのです。
ここでポイントなるのは、中殿筋だけがトレンデレンブルグ徴候の原因になっているわけではなく、小殿筋も大きく関わっています。
中殿筋と小殿筋は筋肉の走行が似ている筋肉です。その中で、中殿筋よりも小殿筋の方が深層にあることで、小殿筋が活性化することでより骨盤を安定させることが出来ます。
デュシャンヌ徴候
デュシャンヌ徴候とは…
片脚立脚時に体幹を立脚側へ傾斜してしまう現象
のことを指します。
トレンデレンブルグ徴候が起きないようにすることで発生する代償動作といえます。
デュシャンヌ徴候が起こる原因は…
中殿筋と小殿筋の筋力低下によって起こりやすいとされています。
そうです。ここで気が付いた方もいらっしゃいますか?
トレンデレンブルグ徴候、デュシャンヌ徴候どちらも同じ要素が原因で起こってしまうエラー動作なんです。
また、小殿筋は片脚立ちの時に中殿筋や大腿筋膜張筋と比べて有意に高い筋活動を示すという研究結果も報告されています。
小殿筋は大腿骨頚部と筋繊維走行が平行になっているため、大腿骨頭を求心位に保つ役割も持っているため、小殿筋が活動していないと股関節が不安定となり、バランスが取りづらくなってしまいます。
股関節の痛みに繋がる
なぜ、お尻のインナーユニットが固まってしまうと股関節の痛みに繋がってしまうのか?
ここで着目したい筋肉は「深層外旋六筋」です。
上記のイラスト写真の筋肉は深層外旋六筋を示しています。
イラストの深層外旋六筋の付着している部分に着目してみましょう。筋肉はどこに付着しているでしょうか?
- 梨状筋:大腿骨の大転子の尖端内側面
- 上双子筋:大腿骨の大転子の転子窩
- 下双子筋:大腿骨大転子の転子窩
- 内閉鎖筋:大腿骨大転子の転子窩
- 外閉鎖筋:大腿骨大転子の転子窩
- 大腿方形筋:大腿骨の転子間稜
6つの筋肉すべてが大腿骨に付着しています。
更に、ほとんどの筋肉は身体の後ろ側についている筋肉です。
ということは…これらの筋肉が固まってしまうとどのような事態が発生するでしょうか?
- 大腿骨に付着する筋肉が硬くなる
- 筋肉が縮んでしまう
- 縮んでしまう筋肉が大腿骨を後ろへ引っ張ってしまう
- 大腿骨が骨盤帯の正常位置から後ろにずれてしまう
- 脚を上げたり動かしたりするときに股関節のつまり感や痛みに繋がってしまう
という流れが起きてしまいます。
股関節のつまり感や、痛みがすべて深層外旋六筋が固まってしまうことの原因になっているという訳ではないですが、普段、座りっぱなしの姿勢が多い方や、股関節周囲の柔軟性がない方などは、上記のような流れで股関節に不調が出てしまうケースが多く見受けられます。
次にご紹介するトレーニングを実践し、固まってしまった深層外旋六筋を動かして筋肉の柔軟性を取り戻しましょう!!
お尻のインナーユニットを鍛えるトレーニングをご紹介
では、ここからは実際に自宅でもできるお尻のインナーユニットを鍛えるトレーニングをご紹介していきます。
今回は3種目をご紹介していきます。
- ヒップアブダクション
- クラムシェル
- スパイダー
それぞれの種目のやり方や、ポイントをまとめていきます。
ヒップアブダクション
中殿筋、小殿筋など股関節外転筋をメインに鍛えるトレーニング種目です。
《やり方》
- 横向きに寝た状態がスタートポジションです
- 下の手は枕にするようにセットしましょう
- 軽く両膝を曲げた状態から上にある脚のみ膝を伸ばします
- 股関節の前側を伸ばすように脚を後ろへ引きます
- 脚を後ろに引いたポジションのまま上に脚を持ち上げます
- お尻のほっぺた部分に使用感を感じたらそのまま真下に脚を降ろします
- 一連の動作を繰り返します
《ポイント》
- 脚はやや後方に引いた状態のまま実施しましょう
ヒップアブダクションの最大のポイントは「脚をやや後方に引くこと」です。
ヒップアブダクションは横向きに寝た状態で脚を持ち上げるような動作を繰り返す種目となりますが、股関節の動きで見た時には「外転」の動きを繰り返すことになります。
ここで考えたいのは、中殿筋や小殿筋以外に股関節外転時に活動しやすい筋肉があるということです。
それは…「大腿筋膜張筋」という筋肉です。
大腿筋膜張筋は骨盤帯から下腿の骨である脛骨にまでかかる長い筋肉です。中殿筋や小殿筋と一緒に股関節外転時に活動する筋肉です。
中殿筋や小殿筋などお尻の筋肉との大きな違いは「股関節屈曲」の作用があるかないかという部分です。
股関節が屈曲した状態で脚を持ち上げてしまうと大腿筋膜張筋が優位に使われてしまう可能性があります。
そのため、適切に中殿筋や小殿筋を使うために股関節伸展位で外転運動を行うことが重要です。
股関節伸展位にするために、持ち上げる脚は後ろに引くように意識して動作を繰り返しましょう。
《注意点》
- 骨盤が後ろに倒れないように注意しましょう
脚を上に沢山上げようとする、脚を後ろに沢山引こうとする
上記のように意識をしたときに起こりやすいエラー動作として骨盤が後ろに倒れてしまうことがあります。
特に前述したポイントを実施する際に股関節を伸ばすことだけを考えてしまうと骨盤が後ろに倒れてしまい、本来効かせたい股関節外転筋を狙うことが出来なくなってしまいます。
脚を後ろに引いて、股関節伸展位を保つときには必ず「お腹の力を入れること」を意識しましょう。
股関節伸展を作るときにお腹の力が抜けてしまうと腰痛を引き起こす可能性もあります。痛みを誘発しない為にも、お腹の力は入れた状態で動作を繰り返すように注意しましょう。
クラムシェル
股関節外旋を行う動作で、深層外旋六筋など特に深層にあるお尻の筋肉を狙うトレーニング種目です。
《やり方》
- 横向きに寝た状態がスタートポジションです
- 下の手は枕にするようにセットしましょう
- 両脚を揃えた状態で軽く膝を曲げます
- この時最初は股関節屈曲60度を目安にセットします
- 足首はお互い離すことなく、膝のみを離すように上の脚の膝を持ち上げます
- 貝殻を開くようなイメージで膝をパカっと開きます
- いけるところまで膝を持ち上げたら元の位置まで膝を戻します
- 一連の動作を繰り返しましょう
《ポイント》
- お尻がだるくなってから数をこなすようにしましょう
クラムシェルで狙いたいメインターゲットの筋肉は「深層外旋六筋」です。
前述してきたように深層外旋六筋はお尻のインナーユニットですが、奥にある筋肉であるが故、普段使われる機会が少なかったり、動かす機会が少ない場合には固まりやすく、使いづらくなってしまいます。
そのため、10回程度動作を繰り返すだけでは、本来効かせたい「深層外旋六筋」に刺激が入らずに終わってしまう可能性があります。
せっかくトレーニングをしていても本来効かせたい部位に効かず、終了してしまうともったいないですね。
回数のポイントとしてはお尻のほっぺの部分が「だるくなってから数を数えること」です。お尻がだるくなってから10~20回ほど、動作を繰り返すことでメインターゲットである深層外旋六筋を活性化させることが出来ます。
少ない回数で終わらせずに。少し頑張ってお尻がだるくなってから動作を繰り返すように意識しましょう。
《注意点》
- 小さな動きにならないように注意しましょう
前述してきたように深層外旋六筋はインナーユニットの為、使いづらい筋肉とも表現できます。
そんな中でクラムシェルを行うときに動作が小さくなっていたらどうでしょうか?
なんとなく想像はつきますね!
元々、使いづらい筋肉な上に、動作が小さくなってしまうとインナーユニットまで上手く動かすことが出来ずにアウターユニットばかりを使ってトレーニングが終わってしまいます。
痛みのない範囲で出来る限り、大きく膝を開き、普段使いづらくなってしまっているインナーユニットを活性化していきましょう。
スパイダー
四つ這いの状態でお腹の力も使いながら行うお尻のインナーユニットのトレーニング種目です。
《やり方》
- 四つん這いの状態がスタートポジションです
- 足幅は骨盤幅に、手幅は肩幅に合わせてセットしましょう
- 骨盤の下に膝、肩の下に手首がくるようにセットします
- 片方の脚を横に開くように持ち上げます
- 膝は曲げた状態のまま脚を持ち上げます
- 持ち上げた脚の目安は骨盤の高さで、床と平行になるポジションは理想です
- いけるところまで脚を持ち上げたら元の位置に脚を戻します
- 一連の動作を繰り返しましょう
《ポイント》
- できるだけ大きく開くことを意識しましょう
スパイダーで狙いたい筋肉は複数のお尻の筋肉ですが、深層筋も狙うためには大きく脚を開くことが重要です。
小さな動きになってしまうと筋肉が十分に伸び縮みせずに、中途半端な状態でトレーニングが終了してしまいます。
特に深層筋は普段あまり使わないことから固まっているケースが多い為、小さな動きだと尚更使われずに終わってしまう可能性が高いです。
お尻のインナーユニットを上手く使えるようにする為にも、できるだけ動作は大きくするように意識しましょう。
《注意点》
- 肘が曲がらないように注意しましょう
四つん這いの状態になると、うつ伏せや仰向けなど、身体が寝ている状態よりも強度が上がります。
それは、地面と身体で接している部分が少なくなり、自身の力で身体を支えなければならない為です。
そんな環境の中で脚を大きく動かそうとすると起こりやすいエラー動作として「肘が曲がる」という動作が起こります。
肘が曲がってしまうと身体を支えるために活動していたお腹周りの力も抜けてしまい、本来効かせたい下半身ではなく、上半身特に肩周りに余計な力が入ってしまいます。
その結果、肩ばかりに意識が向いてしまい、下半身特にお尻には意識がいかずにただ辛いトレーニングで終わってしまう可能性があります。
本来効かせたいお尻に意識を向けられるように、肘は曲げず、伸ばした状態で動作を繰り返すように注意しましょう。
- 膝の位置が変わらないように注意しましょう
今回、全ての種目で着目しているお尻の筋肉ですが、同じように股関節伸展筋として大殿筋やハムストリングスという筋肉が挙げられます。
写真のように股関節外転の動作(真横に開くような動き)の場合には狙いたい股関節外転筋や股関節外旋筋を狙うことができますが、膝の位置が後ろにずれてしまったり、膝が伸びてしまうと大殿筋やハムストリングスが使われてしまう可能性が高まります。
大殿筋やハムストリングスは大きな筋肉であり、アウターユニットであるため、インナーユニットよりも使いやすくなっています。
ポジションがずれてしまうと、簡単にアウターユニットに力が入ってしまうため、膝の位置を変えずに四つん這いの状態から真横に脚を開くように持ち上げるように注意しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回はお尻の中でも深層にある「インナーユニット」の筋肉を鍛えるトレーニング種目3つをご紹介致しました。
普段、意識して使うことがなかなか難しい筋肉ですが、使わないでいると筋肉自体が固まってしまったり、固まってしまうことで動きが悪くなることや、痛みなどの原因にも繋がってしまいます。
今回の内容をまずは実践してみて頂き、普段感じていた
- 片脚立ちの不安定感
- 股関節のつまり感や痛み
が少しでも解消すれば嬉しいです。
3つの種目、どの種目も道具の必要もなく、自宅で簡単に行うことができるエクササイズとなっております。是非、まずは試してみてください!!
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所属の健康運動指導士トレーナー竹村です。
内科系疾患・整形外科疾患・予備軍の方に向けた健康増進施設、指定運動療法施設にてトレーナー従事中
運動を行う上での効果やポイント、身体についての知識など、運動に関わる様々な情報を発信していきます。