【実践編】これからの時期に気を付けたい「熱中症」予防することで暑い夏を健康に乗り越えよう!
今回は後半戦!!
【実践編】として、熱中症予防のために役立つ情報をまとめていきます。
運動指針や、実際にできる予防策などをお伝えしていきますので、是非、最後までご覧ください。
前半も併せてご覧ください。
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熱中症予防のための運動指針を知ろう!
暑い中で運動を実施することは熱中症の発症リスクを高めることにもなります。
実際にどのような環境であれば運動を実施しても良いのかが問題となりますが、一つの基準として、日本体育協会では「熱中症予防のための運動指針」が策定されています。
環境条件の指標として、湿球黒球温度(WBGT)というものを用いた基準となります。どのようなものかを説明していきます。
湿球黒球温度(WBGT)とは?
湿球黒球温度(WBGT)とは…
人体の熱収支に影響の大きい湿度、輻射熱、気温の3つを取り入れた指標で、乾球温度、湿球温度、黒球温度の値を使って計算する方法
のことを指します。
算出する計算方法は以下の通りで
- 屋外:WBGT = 0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
- 屋内:WBGT = 0.7×湿球温度+0.3×黒球温度
という基準があり、実際に計算して算出することもあります。
- 環境条件の評価は湿球黒球温度(WBGT)が望ましい
- 湿球温度は気温が高いと過小評価されることもあるため、湿球温度を用いる場合には乾球温度も参考にするようにする
- 乾球温度を用いる場合には、湿度に注意が必要。湿度が高ければ1ランク厳しい環境条件の注意が必要
などの設定が必要です。
湿球黒球温度(WBGT)基準
湿球黒球温度(WBGT)は5つの段階に分類されています。
- 運動は原則中止
- 厳重警戒(激しい運動は中止)
- 警戒(積極的に休息)
- 注意(積極的に水分補給)
- ほぼ安全(適時水分補給)
それぞれの指標をみていきましょう。
運動は原則中止
- WBGT(℃):31
- 湿球温(℃):27
- 乾球温(℃):35
WBGT(℃):31以上では、皮膚温よりも気温の方が高い状態となる。
そのため、身体から熱を逃がすことができなくなり、熱中症発症のリスクが高まる。
特別な場合を除き、運動は原則中止とする
厳重警戒(激しい運動は中止)
- WBGT(℃):28
- 湿球温(℃):24
- 乾球温(℃):31
WBGT(℃):28以上では、熱中症の危険が高い状態となる。
そのため、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避けるようにする。
運動を実施する場合には、積極的に休息をとり、水分補給を行うように意識する。
体力の低い方、暑さに慣れていない方は運動を中止とする
警戒(積極的に休息)
- WBGT(℃):25
- 湿球温(℃):21
- 乾球温(℃):28
WBGT(℃):25以上では、熱中症の危険が増す状態となる。
そのため、積極的に休息をとり、水分補給を行うように意識する。
激しい運動時には、30分おきを目安に休息をとる
注意(積極的に水分補給)
- WBGT(℃):21
- 湿球温(℃):18
- 乾球温(℃):24
WBGT(℃):21以上では、熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。
そのため、熱中症の徴候に注意すると共に、運動の合間に積極的に水分摂取を行う
ほぼ安全(適時水分補給)
- WBGT(℃):21以下
- 湿球温(℃):18以下
- 乾球温(℃):24以下
WBGT(℃):21以下では、通常であれば熱中症の危険性は低い。
だが、可能性がゼロなわけではない為、適時水分摂取は必要である。
*市民マラソンなどでは、このレベルでも熱中症が発生する可能性があるため、注意が必要
*市民マラソンのための指針
WBGT(℃):18
- 危険度:低い
- 警告:熱障害は起こりうるため、注意は必要な状態
WBGT(℃):18~22
- 危険度:中等度
- 警告:熱障害の徴候に注意し、必要であればペースダウンを行う
WBGT(℃):23~28
- 危険度:高い
- 警告:トレーニングが十分でないものは中止とする
WBGT(℃):28
- 危険度:きわめて高い
- 警告:ペースを十分に落とした場合でも熱障害が起こる可能性がある。競技であっても行ってはならない
熱中症の予防方法とは?
熱中症の発症には
- 環境の条件
- 個人の条件
- 運動の条件
がそれぞれ関係しているため、それぞれに対して配慮することが必要です。
環境条件に把握し、それに応じた運動、水分摂取を行うこと
暑い時期の運動はなるべく涼しい場所で涼しい時間帯に行うようにする。
休憩と水分摂取を頻繁に取るようにし、汗には塩分も含まれているため、水分補給は「水」のみを補給するのではなく、「0.1~0.2%程度の食塩水」が適切である。
運動前後の体重を測定することで、水分補給が適切であるかを評価することができる。
体重の3%以上の水分が失われていると体温調節に影響すると言われ、運動前後の体重が2%以内に収まるように水分摂取をおこなうことが推奨される。
激しい運動を行う際には休憩を30分に一度取るようにすることが望ましい。
暑さに徐々に慣らしていくこと(暑熱順化)
熱中症の死亡事故は急激に気温が上がる7月下旬から8月上旬にかけて集中する。
夏以外でも、急に熱くなると熱中症が発生する事例が多く発生している。
これらは、身体がまだ暑さに慣れていないために起こることであり、暑さに徐々に身体が慣れてくると発症リスクも多少は減少する。
急に気温が上がり、暑くなったときには運動を軽くし、徐々に慣らしていくことで無理な運動を避けることが可能となる。
個人の条件を考慮すること
下痢、発熱、疲労など、体調が元々よくない場合には、暑い中で無理に運動を行わないようにすることが必要。
体力の低い人、肥満、暑さに慣れていない人は運動を軽減するように注意する必要がある。
特に肥満者では熱中症の死亡リスクも高い為、トレーニングの軽減、水分補給、休憩など十分な措置を行ったうえで運動を適度に実施することが必要。
服装に注意すること
熱中症の原因として、体温が高まった際に汗で排出できないということがある。
そのため、服装はできるだけ軽装とし、吸湿性や通気性の良い素材にするように意識する。
天気が良く、直射日光を浴びるような環境では、帽子で回避するなどの対策も必要。
まとめ
いかがでしたか?
今回は【基礎編】【実践編】として、2つのコラムで熱中症についてお伝えいたしました。
北海道の夏も最近は暑く、気温の高い日が続きますので熱中症についての理解を深め、対策をしていきましょう。
熱中症は誰にでも発症する可能性のあるものです。
最悪の場合には死に至る可能性もある恐ろしい病態ですので、熱中症になる前から予防をして、健康的に暑い夏を元気に乗り越えましょう!!
暑い中でも運動を行うことで更に身体も心も元気に!皆様のご来店をスタッフ一同、心よりお待ちしております!!
- スマートウェイ/スタジオ/メディカルフィットネス小樽店
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所属の健康運動指導士トレーナー竹村です。
内科系疾患・整形外科疾患・予備軍の方に向けた健康増進施設、指定運動療法施設にてトレーナー従事中
運動を行う上での効果やポイント、身体についての知識など、運動に関わる様々な情報を発信していきます。