【記憶力改善方法】運動が記憶力改善につながる!?記憶のメカニズムについて
最近物忘れがある、ついうっかりしてしまってなど、記憶力が下がってきたと感じた経験はありませんか?
実は記憶力は運動をすることでよくなると言われています。
今回はどうして運動すると記憶力がよくなるのか、どのような運動がよいのかなどを説明していきたいと思います。
記憶力を知ろう
記憶力とは脳の中の大脳皮質や前頭前野、海馬などが関係します。
まず人が物事を記憶するとき目や耳などから入ってきた情報が、感覚野などの大脳を通して海馬に情報が伝わります。
海馬を通し大脳皮質、特に前頭前野などに情報が貯蔵されます。
残りやすい記憶
よく感情を伴った記憶は残りやすいと言われていますが、これは海馬は人間の快・不快の感情を感じ取る機能がある大脳辺縁系の一部であるためと言われています。
例えば、普段何気なく食べている朝ごはんの内容は数年たったら忘れてしまうのが普通ですが、とても美味しかったと感じたときや旅行先で食べた料理、家族と大喧嘩した後の食事などは覚えているなんてことがあると思います。
これは
〇料理が美味しかった
⇒美味しかった=快の感情
〇旅行が楽しかった・幸せに感じた
⇒楽しい・幸せと思う=喜び(快)の感情
〇喧嘩した後の食事
⇒喧嘩をする(怒っている、イライラする)=不快な感情
などのように強い快・不快の感情を伴う行動であると記憶に残りやすいのです。
なぜ記憶力は低下するのか?
毎日の生活場面で快・不快や喜怒哀楽を強く感じるような生活は刺激的ですが、その分たくさんのエネルギー(活力)が必要になります。
これらのエネルギーを省略するために慣れた行動をとることやある程度の感情を想定して行動することを普段の生活では無意識に行われています。
そのため、普段の何気ない行動の時にうっかりとした物忘れが起こったりしてしまいます。
海馬や大脳皮質での情報のやり取りは脳の中では神経伝達物質(アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミン・セロトニン・ヒスタミンなど)を介して行われます。
この神経伝達物質が片方から放出され、もう片方の神経が受け取ることで神経同士のやり取りがなされます。
このやり取りをしていく中で神経伝達物質の量や受け取り側の問題があると記憶力に影響がみられることになります。
記憶力が低下するときの脳の働きとして、その他にも
- 脳の神経自体が萎縮して活動量が低下している。
- 感情が伴わない(感情の平坦化)ことが続くことで、神経伝達物質の放出が少ないことに慣れてしまう。
- 加齢により神経伝達物質の放出量や受け取り側の神経の働きが低下する。
- 血流が滞ることで神経の活動性が低下する
などが原因として挙げられます。
また脳卒中や外傷性頭部障害など直接脳にダメージが起こることでも記憶力が低下する原因となります。
大脳辺縁系ってなに?
大脳辺縁系は
- 偏桃体
- 乳頭体
- 側坐核
- 視床下部
- 帯状回
- 海馬
- 海馬傍回
を含む総称です。
主に生物の情動(快・不快)や本能的な感情が起こる場所と言われています。
ごく簡単にいうと生きるために必要な生理的欲求を司る部分です。
母性や父性など子供を無条件で育てようとするのもこの大脳辺縁系の働きによるものです。
運動による記憶力への影響
記憶力は意識しなければ低下していきます。
しかし毎日記憶力をよくするために、脳トレを何時間もすることは難しいですよね…。
そのために一番簡単に記憶力を改善するための方法が運動と言われています。
運動をすることで記憶力への影響としては
- 認知機能面の改善
- 情緒面の改善
- 脳血流量が改善し酸素運搬能力が向上する
- 脳内エンドルフィン(神経伝達物質の一種)の放出を促進する
- 筋肉が動くことにより受容体を介して脳に刺激を与える
- フラストレーションやストレスが緩和される
などの効果があるとされています。
また最近では神経の再生にも役立つ神経伝達物質(IGF-1などのホルモンを多く放出するようになるとも言われています。
これらの作用があることで脳の中で神経伝達物質を受け取る側、放出する側ともに活発化し、ストレスが緩和しつつも脳内エンドルフィンが増加することで感情の起伏が生まれることで記憶力が改善すると言われています。
その他にも屋外で行う、複数人で行うなどの要素があると快・不快の感情や喜怒哀楽の感情が働きやすくなります。
また、運動には生活習慣病予防や最も安価なアンチエイジング効果のある方法とされています。
運動習慣を身に着けることは記憶力の改善の他にも有益なので積極的に取り入れていきましょう。
運動の方法
記憶力を改善させるためには神経伝達物質を受け取る側の神経や神経伝達物質を放出する機能を改善させる必要があります。
方法としては全身運動を中等度の強度が適していると言われています。
下図には年齢別の心拍数を目安にした表になります。
特に有酸素運動を30分以上行うことが好ましいとされています。
その他にも脈拍が『ややきつい』の欄に当てはまる程度の運動強度で休憩をはさみながら行う筋力トレーニングなども有効です。
しかし急に運動を習慣化させることは難しいので、まずは楽に毎日行えるような運動を取り入れていくことが大切です。
また、生活習慣病がある方については専門の医師やリハビリスタッフ、運動指導士などの指導の下行うようにしましょう。
まとめ
記憶力の低下の原因はいろいろありますが、低下する機序は神経伝達物質の低下や神経伝達物質の受け取り側の受容体の量の減少が要因のことが多くあります。
改善するためには定期的な運動や感情を伴う活動を行うことが大切になります。
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