あなたはどのくらい呼吸をしていますか? 簡単チェックで呼吸から身体を整えよう
あなたは1分間でどのくらい呼吸をしていますか?
そう聞かれた時「○回」と答えられる方は少ないかと思います。
呼吸は無意識下で行われ、普段の生活の中で意識的に呼吸を行うことは少ないです。
ですが、この無意識下で行っている呼吸が上手くできているかどうかで、身体の不具合が出るかどうかが決まります。
今回は
- 普段の呼吸はどのくらいの回数なのか
- 呼吸の重要性について
- 呼吸改善エクササイズ
をご紹介していきます。
今回の内容を読んで、少しでもご自身の呼吸と向き合うきっかけになれば嬉しいです。
是非、最後までご覧下さい。
呼吸とは?
呼吸は生命維持に必ず必要な動作となりますが、呼吸は無意識下で行われることが多いです。
身体の細胞は、活動するときにエネルギーを使います。このエネルギーの燃焼するには酸素が必要です。
エネルギーを燃焼させると、老廃物である二酸化炭素が発生します。発生した二酸化炭素を体外に出し、新しい酸素を体内に吸い込む作業=呼吸と表現されます。
人が1回の呼吸で吸う空気量は400〜500mlです。
また、人は1日に約3万回も呼吸をしています。
3万回は安静時の回数であり運動を行うと酸素を使う量が多くなるため、呼吸の回数は更に多くなります。
口や鼻から入った空気は気管を通って肺に入りますが、このとき肺の中では、一瞬のうちに空気の中の酸素を血液の中に取り入れ、いらなくなった二酸化炭素を出しています。
呼吸の回数を数えてみよう
では、ここで今のあなたはどのくらい呼吸をしているのか?を確かめてみましょう。
ストップウォッチもしくは、タイマーを用意してください。
1分間にセットして、1分間にどのくらい呼吸をしているかを数えてみましょう。
何回でしたか?
- 10回以下
- 10回~20回
- 20回~30回
どれに当てはまったでしょうか?
一般的に理想と言われる呼吸数は1分間に10回~15回と言われています。
10回以下
呼吸が深くできている状態です。
マラソンなどの持久的なトレーニングを実施している方は少ない回数となる事が多いです。
少ないことが悪いことでは無く身体にとってはいい影響がある為、良い状態といえます。
10回~20回
理想的な呼吸の回数です。
一般的には10回~15回が理想と言われています。
大体1分間でこの範囲内におさまっていると理想的といえます。
20回~30回
1分間で考えると呼吸の数が多い状態です。
特に息を吐くこと が上手くできていない可能性が高いです。
浅い呼吸となると、自律神経の乱れが起こったり身体に様々な影響が出てきてしまいます。
20回~30回に該当した方はこの後に記載する改善エクササイズを是非、お試しください。
呼吸の秒数を数えてみよう
では、次に1呼吸はどの程度の秒数なのかを数えてみましょう。
先程同様にストップウォッチを用意します。
【やり方】
- 息を吐き、鼻をつまみます、
- 鼻をつまんだまま、次に明確に「吸いたい」と感じるまでの秒数を計測します。
まず息を吸いそのまま吐き、ここからスタートです!
何秒でしたか?
- 10秒未満
- 10秒~20秒未満
- 20秒~40秒未満
- 40秒以上
どれに当てはまったでしょうか?
10秒未満
呼吸量が非常に多いです。
適切な酸素供給が出来ていない可能性が高い状態で、改善が必要です。
10秒~20秒未満
呼吸量が多いです。
運動や精神的ストレスで息切れや喘息、疲労が見られる可能性が高い状態です。
20秒~40秒未満
呼吸量の問題はほとんどないです。
ですが、まだ理想的な酸素供給とはいえない状態です。
40秒以上
理想的な呼吸量です。
40秒以上を目指してトレーニングをしていきましょう。
インナーユニットを紹介
お腹のインナーユニットは4つあります。
今回は簡単に説明していきます。
- 腹横筋
- 骨盤底筋
- 多裂筋
- 横隔膜
この4つがお腹のインナーユニットです。
上記の4つの筋肉はそれぞれ上下、前後からお腹を支えている筋肉です。
ということは…
どれかひとつが上手く働かないことで空気がそこから漏れてしまい、せっかくの呼吸が上手くコントロール出来ないということです。
- 上から→横隔膜
- 下から→骨盤底筋
- 前から→腹横筋
- 後ろから→多裂筋
4つ全ての筋肉を活性化させ上手くコントロール出来るようにすることが、お腹を上手く使えるようにする為の近道です。
大切なのは横隔膜
呼吸には呼気と吸気が存在しています。
- 呼気=息を吐くとき
- 吸気=空気を吸うとき
を表現しています。
呼気と吸気では、それぞれ使われる筋肉に違いがあります。
【呼気】
- 内肋間筋
- 外腹斜筋
- 内腹斜筋
- 腹横筋
- 腹直筋
【吸気】
- 胸鎖乳突筋
- 斜角筋
- 僧帽筋
- 外肋間筋
- 横隔膜
- 脊柱起立筋
肺には筋肉が無いため肺は自ら膨らんだり、縮んだりすることが出来ません。
呼吸を行う時には上記の筋肉を使って空気の出し入れを行っています。
呼吸が変われば姿勢が変わる
呼吸と姿勢はどのような関係があるのでしょうか?
最も重要になるのは横隔膜が動きやすい状態かという部分です。
息を吸う時には前項の筋肉が肋骨を上に持ち上げ、横隔膜を下に引き下げ体積を広げます。
体積が広がることで肺が広がり、空気を取り込みやすくなります。
息を吐く時には空気を吸い込む時とは反対に筋肉が肋骨を下に引き下げ、横隔膜を上に持ち上げて、体積を小さくします。
結果、肺がしぼみ空気を送り出すことが出来るのです。
背中が丸まり猫背のような姿勢になってしまうと、息を吸う時に動く肋骨が動きにくい姿勢となります。
本来であれば息を吸った時には肋骨が上に上がりますが、背中が丸い状態だと肋骨が上手く上がらずに横隔膜も上手く動かすことが出来なくなってしまいます。
また、猫背の姿勢になると気道が狭くなります。
外から吸った空気は気道を通って体内に入りますが、この気道が狭くなると呼吸が上手く出来なくなってしまいます。
その結果、首や肩まわりの筋肉が過剰に働き硬くなります。
その結果、呼吸が乱れ速く浅い呼吸となってしまうのです。
改善エクササイズ
では、ここからは改善のためのエクササイズをいくつかご紹介していきます。
今回は4種目、紹介していきます。
どの種目も簡単で、どなたでも実施できる内容となっておりますので、是非、チャレンジしてみてください。
肋骨の誘導
前述した呼吸の際にポイントとなる「横隔膜」は肋骨に付着しています。
横隔膜を上手く動かすためには肋骨も一緒に動かす必要があります。
ですが、猫背になると背中が丸まり肋骨が動かずにロックされた状態となります。
猫背の状態が続くと肋骨が動かない期間が長くなり、肋骨の動き自体が制限されて動かしにくくなってしまいます。
姿勢を正すことが必要ですが、同時に固まってしまった肋骨を動かせるように促すことが必要です。
ご自身の手で肋骨を誘導して動きを良くしていきましょう。
【やり方】
- 仰向けに寝て両膝を立てる
- 深呼吸を繰り返す
- 両手で肋骨を把持する
- 肋骨を誘導する
①仰向けに寝た状態がスタートポジションです
この時両膝は立てた状態にセット
膝を伸ばしてしまうと身体に余計な力が入ってしまったり、腰に痛みが出てしまう可能性があります
②深呼吸を繰り返します
深い呼吸を行うことを意識しましょう
③両手で肋骨を把持します
指先がお臍の方に向くように両手をセットすることがポイントです
④肋骨を内下方へ誘導します
肋骨を誘導する時にはお臍に肋骨が寄るようにイメージしながら動かすことがポイントです
姿勢が崩れると肋骨が常に開いている状態となり、上にあがり外側に開いている状態になりやすいですため、肋骨を閉めるように意識して、内下方へ両手で肋骨を誘導しましょう
大きく息を吸う時には肋骨を広げるため、手の力を抜き、息を吐くタイミングで肋骨を手で誘導する動作を繰り返します
手を当てる位置としては図のような場所となります
指先の方向を注意しながら実践してみましょう
胸と腹のタイミングを合わせる
上手く呼吸を行うためには胸とお腹に均等に空気を入れることが必要です。
- 胸で呼吸を行うこと=胸式呼吸
- お腹で呼吸を行うこと=腹式呼吸
と表現されることが多いですが、適切な呼吸は胸にもお腹にも空気が入る状態を指します。
空気の量も均等にしますが、同時にタイミングも合わせる必要があります。
息を吸った時には胸とお腹が同時に膨らんで来る状態が理想です。
【やり方】
- 仰向けに寝て両膝を立てる
- 胸とお腹に手を添える
- 深呼吸を繰り返す
胸とお腹が同時に膨らんで来ることが最も重要です
胸だけが膨らんできてもお腹だけが膨らんできても、それだけでは足りずどちらも同じタイミングで同じ量、膨らむことを意識してみましょう
写真のように胸とお腹に手を当てます
同時に動かすことを意識して実践してみましょう
腹横筋を上手く使う
呼吸でとても重要となる「腹横筋」が上手く使えるかどうかで、呼吸が上手くできるかどうかを左右すると言っても過言ではありません。
腹横筋が上手く使えるようになると風船のようにお腹を使うことが出来るようになります。
腹式呼吸を行う際には、おなかが膨らむような形となります。
その際に上下、左右に空気が入り、満遍なく風船のように膨らんでいる状態が理想です。
【やり方】
- 仰向けに寝て両膝を立てる
- 指先で膨らませる部分に手を当てる
- 深呼吸を繰り返す
- 息を吸うタイミングで押さえている指先を押し返すようにお腹を膨らませる
真上に膨らませることは比較的やりやすいです
特に真横に膨らませることが難しいので、まずは真上に膨らませることから挑戦してみましょう
慣れてきたら、徐々にお腹のサイドに移っていくとうまく行うことができます
骨盤底筋の活性化
お腹を下から支える「骨盤底筋」
骨盤底筋の作用として…
- 骨盤付近にある臓器を支える
- 排尿・排便のコントロール
- 姿勢を保つ
という大きくわけて3つが挙げられます。
骨盤付近にある臓器を支える
膀胱や直腸、子宮などを支えて、正しい位置に保つ働きを骨盤底筋が行います。
排尿・排便のコントロール
尿道や肛門を締めて排泄をコントロールしています。
姿勢を保つ
下腹部や股関節周囲の筋肉と骨盤底筋は大きな関わりがあり、身体支え、いい姿勢を保つ役目も担っています。
骨盤底筋は尿漏れにも影響が出てきたり、日常生活でも緩んできてしまうと影響を受けることが多くあります。
【やり方】
- 仰向けに寝て壁に足の裏をつける
- 角度は膝関節90°、股関節90°にセットする
- 仙骨を床から離し、おしりを持ち上げる
- 持ち上げたら元の位置に戻す
- おしりを持ち上げるタイミングで息を吐く
※おしりを沢山あげることが目的ではありません
この種目のポイントは「仙骨」のみをあげるように意識することです
そうすることで、骨盤が後傾し、骨盤底筋が上手く働きます(骨盤後傾=丸くなる状態を指します)
もう一度確認してみよう!
では、改善のエクササイズを実施したところで、もう一度ご自身の呼吸数を確認してみましょう。
先程と同様に1分間に設定して、呼吸を何回行ったか確認してみましょう。
何回でしたか?
先程よりも回数が減少した方は、上手くエクササイズが出来ていた証拠となります。
また、改善しなかった方は普段の呼吸により筋肉の硬さがあったり、呼吸が深くできていない可能性が高いです。
今回のエクササイズを中心に継続して頂くと効果を感じられるようになるかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
普段、何気なく無意識下で行っている呼吸ですが、意識してやろうとするとなかなか難しいものです。
また、意識をすれば上手くできるとなっていても、無意識下で行う呼吸が適正になる必要があります。
無意識下で適正な呼吸を行うためには日々の姿勢やエクササイズの継続がとても重要です。
朝起きた時、夜寝る前の深呼吸や、仕事中の姿勢など少しの意識が身体を変えるきっかけとなります。
これを機に少しでもご自身の身体に向き合う時間を作っていただければ嬉しいです。
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